東京都から受託した孤立地域へのドローン物資搬送の実証実験を実施~LTEを利用して最長7kmの距離を目視外で自動飛行し、20kgの荷物を運搬~
双葉電子工業株式会社(以下「双葉電子」)は、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)が東京都からの受託事業として、2021年12月14日から2022年1月20日まであきる野市、八王子市および青梅市で実施しました、災害時の陸路の寸断などを想定した孤立地域へのドローンによる物資搬送の実証実験に協力いたしました。
この実証実験では、双葉電子が新たに開発したLTE通信モジュール搭載の物資搬送向けドローンを、LTEを利用して遠隔地から監視・飛行制御することで、高圧送電線越えを含む最長7km(往復)の距離を目視外で自動飛行(レベル3)※1し、20kgの荷物を安定して運搬できることを検証しました。また、ドローンが空撮した映像を、監視・飛行制御を行う拠点の他、都庁や各自治体の防災拠点などにリアルタイムに伝送することで、複数の拠点で同じ映像を見ながら的確な指示や意思疎通が図れることを確認しました。なお、事前に設定した地点へドローンを高精度に着陸させるため、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」と連携した他、ドローンの安全装置として、日本化薬株式会社の産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「Para Safe®︎」※2を搭載して実証実験を行いました。
今後も双葉電子は、ソフトバンクと連携し、災害時におけるドローンの活用を進めるとともに、規制緩和を踏まえた、有人地帯における補助者なしの目視外飛行(レベル4)の実現に向けて取り組んでいきます。
※1 この実証実験では、無人地帯において補助者がいる環境で目視外での自動飛行を実施しました。
※2 故障などでドローンが飛行不能な状況に陥った場合、遠隔操作により瞬時にパラシュートを展開することで、安全にドローンを降下させる装置です。ドローンの飛行不能時に使用するシステムのため、今回の実証実験では作動していません。
実証実験の概要
実施期間:2021年12月14日~2022年1月20日
実施場所:あきる野市、八王子市および青梅市内の各2ルート、計6ルートを飛行
使用機体:双葉電子製「FMC-01DASB」
飛行距離:1ルート当たり約2.2~7.0km(片道約1.1~3.5kmの距離を往復)
積載重量:20kg(2Lの水入りのペットボトル10本)
実施内容
- ドローンによる物資搬送のモデルルートの作成
- 各モデルルートにおけるLTEの電波環境や支障物などの環境調査
- 物資搬送の実証実験
- 環境調査や実証実験から得られた成果などのレポート作成
実証実験で使用したドローンについて
名称 | FMC-01DASB |
サイズ | 全長128×全幅146.5×高さ68cm |
機体重量 | 25kg |
ペイロード(最大積載重量) | 20kg |
最大離陸重量 | 45kg |
飛行可能時間 | 約25分(ペイロードなし) |
実証実験の様子
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